６００形(610)　大牟田線　新栄町

６００形は、１９６２年（昭和３７年）〜１９７２年（昭和４７年）にかけて制作された一般用の高性能車です。 　１０００形のＭ1Ｍ2のオールＭ方式から、１Ｍ方式となり、ＭcＴcまたはＭcＭcＴcを基本編成とします。 　車体は１９．５mに大形化され、扉も両開きとなりました。車内はロングシートです。 　１１年の長期に渡る増備の為、年度によって仕様に多少の差がありますが、その後の改造などで仕様が揃えられていたりします。 　最終増備車の631+681は、KW-7／KW-8台車、下枠交差式パンタグラフ、冷房準備車という同時竣工した７００形と同仕様で登場し、竣工後すぐに冷房化されています。 　１９７３年（昭和４８年）から順次冷房化、電照方向幕取付、前照灯移設（貫通路上から窓下に）などの改造を行い、塗色もマルーン濃淡からアイスグリーンと赤帯に変更されています。 　また一部、先頭車へのスカート取付（７次車以降は新製時から）、パンタグラフを下枠交差式に交換したものがあります。 　その後の輸送量の増加に伴い、一部編成で３・４連固定編成化改造が行なわれましたが、この時605,623,625,627,629,670,674,678,680,631は運転台を完全撤去して中間車化、611,622は運転台こそ残っていますが、主要機器類は撤去されており事実上中間車と化しています。また、626-627-677編成の627-626は、７００形に準じたＭ1Ｍ2ユニット化改造を行なっています。 　１９８８年（昭和６３年）からは２連車は甘木線乗り入れ用となり、１９８９年（平成元年）から甘木線列車はすべて６００形２連に統一されています。甘木線では中扉は締切扱いの上でワンマン運転となっていますが、改集札を全ての駅で行ない運転士が扉扱いを行なうという方式を採用している為、入線に関しての改造は「ワンマン」表示、テープ放送スイッチの運転台取り付けなど最小限度の改造で済ませています。（未対応の２連車は全て宮地岳線に転属） 　１９９０年（平成２年）以降、宮地岳線冷房化推進の為、２連×４と３連×１の計１１両が宮地岳線に転属しています。 　６００形は、文字通り大牟田線全線で普通から特急まで各列車に幅広く使用されています。 　なお、６００形にはかつてク653という、１００形制御車を改造した15m級片開き２扉車という異端児的な車両がありましたが、冷房化の対象外となり既に廃車されています。 ←戻る