8651
8000系(8651) 東上線 川越市

 1963年(昭和38年)から20年間に渡り製造された総数712両に及ぶ主力通勤車両で、東武線のいたるところで目にすることができます。
 2000系をベースに20m4扉化、高床運転台の採用で正面窓がやや高い位置にあります。この正面スタイルは8000系の他3000系5000系更新車に引き継がれ東武の顔になっています。典型的な通勤車であり、20年間に渡る製造期間中に大きな設計変更もなく、形態的には面白味の少ないものですが、1986年(昭和61年)から修繕工事に着手され,1987年からは正面窓廻りに黒色のアクセントを付けた日光線快速用6050系に似たものに変えています。
8106
8000系(8106)更新車 野田線 清水公園 1999年4月30日撮影

 はじめは8100+8200+8300+8400の4両固定編成と8500+8600の2両固定編成で登場、鋼板軽量構造の採用や発電制動の省略等により4両固定編成で総重量120トン以下を達成していました。現在は冷房装置の取り付けや保安機器の追加で重くなっています。また、MT比1:1でありながら高い加速力を持ち、非常に経済的な車両となっています。
 車番は製造時期が長く、輸送力の増強に合わせて逐次6両、8両の固定編成が登場してきたために欠番が生じたり8万代が登場したりと変化のない形態とは異なり複雑になっています。8101を先頭にする第1編成から第55編成までは4両固定で登場、後年この内第1編成から第14編成までは中間に8700、8800を組入れ6両固定化されました。8156を先頭とする第56編成から第72編成までは製造当初から6両固定で登場しています。編成末尾を揃えるため8715〜8755、8815〜8855は欠番になっています。更に、第73編成からは8両固定も登場します。第73編成は4両固定の下り側クハ8473をサハ8973に、本来は第74編成となるべき編成の上り側クハ8174をサハ8974にそれぞれ置き換えて背中合わせにしてあります。第99編成まで達すると下二桁ではおさまらず81101と8万代の車番が登場しました。8000系は第120編成まで製造されましたが、 このように必要に応じて増備されたため8100,8400,8700,8800,8900の各形式に欠番が生じています。また,平成3年度にモハ8515,クハ8615の2両は乗務員室を撤去しモハ8815、サハ8715となり4両固定編成に組み込まれて6両固定編成となっています。
 8000系は各検修区に配置され東武全線で正に主力通勤車として運用されています(ただし、8両固定編成は東上線のみ)。しかし、東上線では正面サボ枠を撤去したり、網棚手摺を追加設置した編成が登場し、本線に配置されていた編成とは若干の相違があります。また、前述のように本線と東上線との間で車両の交換を行う際に秩父鉄道線内を回送するため、一部の8500,8600に秩父鉄道のATSが設置されました。変化の少なかった8000系にも修繕工事や改造で少しづつバラエティがでてきました。
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