711系(S-107編成) 435M 普通列車
室蘭本線 登別 2007年9月1日撮影 |
711系(S-111編成) 427M 普通列車
室蘭本線 青葉 2007年9月2日撮影 |
1.登場背景
1967年(昭和42年)小樽〜滝川間の交流電化に先駆けて導入された交流近郊形電車です。最初に導入された車両は711系900番代としてクモハ711+クハ711の2両編成で登場し、手稲〜銭函間の交流電化試験線で耐寒・耐雪・性能試験等が行われました。 2.車体構造 車体は20mの普通鋼製となってます。 ・900番台 901番編成が汽車会社製で、側窓をユニット窓とし、出入り口扉を折り戸でした。折り戸は量産化改造時にレールヒーター付き引き戸に改造されています。 902番編成が日立製作所製で、出入り口はレールヒーター付きの引き戸で、側窓は小型二重の一段下降窓を採用し、量産車に近いスタイルをしていました。床下機器はカバーで覆われていましたが、後に取り外されました。クハ711−902にはヒーター付きのペンチレーターが載せられました。 ・0番台 製造当初から出入り口は引き戸式となってます。側窓は902番編成と同型となりました。 ・100番台 基本的に0番台と同じですが、車体が難燃化構造となり、出入り口がステンレス製となりました。行き先表示装置を装備し先頭車の前照灯は製造時から4灯となってます。 3.車内設備 座席は車端部をロング、中間部はシートピッチ1,470mmのクロスシートのセミクロスタイプとし、酷寒地使用を考慮して出入り口と客室を仕切っています。クハ711形には便所と洗面所が設置されました。 100番台はクハ711形200番台のみに便所が付いてます。 4.機器類 制御装置は日本の電車では初めてサイリスタ位相制御が採用されました。主電動機は永久並列の構成で弱め界磁がなく、電圧制御のみで制御します。 ・900番台 当初は菱形のPS16Gが採用されましたが、量産化改造の際に下枠交差形のPS102Bに変更されています。 クハ711-902にディスクブレーキ付きのTY208Y形台車が採用され、クモハ711-902の床下機器を防護するため防雪カバーが設けられてました。 クモハ711の台車は試作台車(DT38X)が採用されました。 連結面側に雪切室が設けられました。 ・0番台 編成が2両単位から3両単位へと変更され、新たに中間電動車モハ711形が製造されました。変圧器がTM13A、主制御器がCS35形、パンタグラフは下枠交差形のPS102B形へ変更されました。台車はモハ711形がDT38形、クハ711形がTR208形が採用されました。また、雪切室の位置が車体側面向かって左側に変更されました。 モハ711形は旭川電化増備車から誘導障害対策のため、交流機器、主回路の一部が変更されて50番代となりました。 ・200番台 室蘭電化の増備車は先頭のクハ711を両渡り構造だったのを方渡りにし、奇数向きを100番代、偶数向きを200番代としました。電機器類は781系同様PCBを不要としたタイプに変更し、主変圧器をTM13D形、主整流器をRS93B形、主制御器は水銀不要のサイリスタを採用したCS48形となりました。 クハ711形200番台に循環式汚水処理装置を設けてます。 5.主な履歴 1968年(昭和43年)8月の小樽〜滝川間の交流電化完成前に登場した量産車はクハ711+モハ711+クハ711の3両編成となりました。同年に900番台の改造(誘導対策、量産車との併結対策、パンタグラフを下枠交差形PS102Bに交換、クモハ711-902の床下機器カバー撤去等)が行われました。 1969年(昭和44年)10月の旭川電化延伸時に2次車が登場しました。 1970年(昭和45年)に900番台の再改造(901編成の4枚折り戸を引き戸に変更、主回路の変更)が行われました。 1973年(昭和48年)に試験的に先頭上部に2灯のシールドビームが追加され1977年(昭和52年)から本格的に採用されました。 1980年(昭和55年)10月の千歳経由の室蘭本線室蘭までの電化延伸時に3次車(100番台)が製造されました。 1980年(昭和55年)には試作車の量産化改造が行われ、3両編成となりました。 1985年(昭和60年)に外板塗装が赤1号とクリーム1号の帯に変更されました。 1987年(昭和62年)主に100番台のクハ711形車体中央部に出入り口が1カ所追加されました。 1997年(平成9年)S-112編成を使用し731系開発のため、客室設備の各種試験が行われました。 2001年(平成13年)に100番台の一部の車両に分散式冷房装置が搭載されました。 2004年(平成16年)より下枠交差形パンタグラフからシングルアーム式パンタグラフに換装され、翌年までに全車にわたり完了しました。 |
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