115系
115系 中央本線 八王子 2002年1月3日撮影
 1962年(昭和37年)に113系の勾配区間向けとして登場した直流近郊形電車です。
 車体は20m3扉で、基本的には113系と同じです。
 室内は113系と同じくセミクロスシートになっていますが、乗降扉は自動、半自動両用形となっています。 
 通風機は押し込み形とし、耐寒耐雪装備を強化しています。
 下回りは出力増強形(111系に比べて)のMT54を使用し、主制御器は165系と同じ抑速ブレーキ、ノッチ戻し付きのCS15Aを使用しています。主幹制御器は抑速ブレーキの制御も行うMC37で、力行5ノッチ、抑速ブレーキ5段となっています。3〜5ノッチはノッチ戻し可能です。ぎ装面ではMG(電動発電機)、CP(空気圧縮機)等の補機類をモハ114(パンタ付き中間電動車)への集約を図り、クハ115のCPの有無による区分はありません。
 編成は当初クハ115+モハ115+モハ114+クハ115の4両編成を基本としていました。
 東北、高崎線に導入された当形式は、1966年(昭和41年)に中央本線の70系置き換えのため、中央本線に導入されました。このときからクモハ115とサハ115がラインナップに加わりました。
 1973年(昭和48年)から冷房付きとなり、同時にA−A基準化などの変更を行った300番台が登場しました。
 1977年(昭和52年)から70,80系の置き換えが始まり、このうち70系及び中央、山陽本線の80系については115系で置き換える事になりましたが、70系については長野、新潟地区のいずれも極寒、積雪地帯(名古屋地区については1978年(昭和53年)度に113系で置き換え)のため、耐寒耐雪構造をさらに強化した115系1000番代を投入し、山陽本線広島地区についてはシートピッチ拡大型の2000番代を、岡山地区については伯備線電化に備え1000番代を投入しました。
 1982年(昭和57年)11月ダイヤ改正では広島地区のフリークエントサービスを向上する試みが行われ、2扉転換クロスシート付きの3000番台が登場し、153系の置き換えも行われた。
 1983年(昭和58年)までには総数1000両を越える大所帯となりました。
 1984年(昭和59年)2月改正以降、列車キロ管理から車両キロ管理への移行により、フリークエントサービスと運用の効率化を図ることになり、編成を短縮して本数を増やすため中間車を先頭車に改造する工事が多数行われ、先頭車に新たな番代とバリエーションが増加しました。
 その後、国鉄末期からJR発足後にかけて各地で地域の実情に合わせて改造工事や塗色変更が行われました。また、新型冷房搭載や、運転速度向上の改造等で番代区分が複雑になっています。
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